日帰りの雪山基本装備とその役割等をまとめています。
夏山にはない、冬山又は雪山特有の必要アイテムもあるので、参考にチェックしてみましょう。
このページは、お客様の疑問にお応えして随時追加しています・
※左端の印は優先度を示す。
◎絶対に必要 〇必要 △有れば便利
<装備>
◎帽子
寒さ対策として、耳まで覆う保温性の高いニットキャップ。
風の強い森林限界を越えるときは、顔全体を風から守る目出し帽(バラクラバ)が有効。
◎手袋
防水性のアウターと保温性のインナーの組み合わせ。一体型のものでも可。濡れ対策として予備の手袋も用意したい。
◎ウェア
雪山のウェアも夏山と同様、レイヤリング(重ね着)の考え方が重要。アウターレイヤー・ミドルレイヤー・ベースレイヤーの3層構成が基本。アウターは防水性、透湿性を備えたゴアテックス素材などがよい。冬でも意外と汗をかくので、ベースレイヤーは透湿性のあるウール素材などを着用。
パンツもウェア同様、冬用パンツに加え、アウターにオーバーパンツ(無い場合はレインウェアで代用)、ベースにタイツなどを着用。オーバーパンツは、インナースパッツ付き、登山靴靴を履いたま脱着できるようサイドがジッパーで開くタイプがおすすめ。
◎登山靴
雪山用登山靴で、中綿入りや皮革製で保温性が高く、防水透湿性のあるもの。
また、アイゼンを装着できるよう前後のコバのあるもの。靴はアイゼンと合わせて選ぶようにしたい。
◎靴下
厚手のもので、透湿性のあるウール素材など。予備も持参したい。
◎リュック
夏山と兼用で可。ストックやピッケルを外付けできるものがよい。
◎サングラス
紫外線対策として、雪面から照り返す紫外線が夏山以上に強いので必須アイテム。
また、風や吹雪に備えたゴーグルも準備したい。
〇スパッツ
雪の侵入を防ぎ、防水・保温効果を高めるアイテム。靴が雪に埋まる状態やアイゼン装着の場合は必須。雪山用は、夏山用より厚手で丈の長いもので、強度と保温性、防水性を高めたものがよい。
〇ストック
歩行のバランスや衝撃を和らげ、歩行の推進力を補強する役割があるが、雪山では雪に足をとられので夏山より必要度合いは高まる。ストックはI型の持ち手のもの2本が基本。ストックの先が雪に沈まないようにバスケットを装着する。
〇アイゼン
凍った道や岩場、森林限界を超えた場所では、10本爪、12本爪のアイゼンが必要。
冬靴のタイプに合わせて選ぶ必要がある。多くの靴に対応可能なベルトタイプ、かかとにコバのある靴に装着するセミワンタッチタイプ、前後にコバのある靴に対応可能なワンタッチタイプがある。
グリップ力は、「ベルトタイプ < セミワンタッチ < ワンタッチ」となる。
アイゼン使用前にやっておくこと>>重要!
①アイゼンバンドを適切な長さに切る。
アイゼンのバンドは購入時のままだと長過ぎる。装着時に余ったバンドを縛り付けているのをよく見かけるが、余計な手間が掛かる上、歩いている最中にほどけたりしてストレストとなる。アイゼンバンドは事前に適切な長さ(装着した状態でアイゼンや靴に縛り付けずに歩行時に邪魔にならず、手で引っ張って締められるくらいの長さ(15㎝~20㎝ほど))に斜めにカットし、切断部分はほつれないようライターで炙っておくとよい。
②オーバー手袋をつけたまま装着できるようにする。
厳冬期の雪山では手袋を外すことはできない。装着時は必ず手に雪がつくので、濡れてもいいようにオーバー手袋をしたままアイゼンの脱着がスムーズにできるよう本番前に練習しておくことが重要!
フリースやウールの手袋での装着は厳禁。
〇ピッケル
雪山登山、特に岩場や森林限界を超えた場所では必須アイテム。縦走用はシャフトがまっすぐのものがよい。ピッケルを放しても滑り落ちないようにするピッケルバンド、特に初心者にはピッケルを両手に持ち替えられる様に肩掛け式がおすすめ。 持ち運ぶ際はピック、ブレード、スピッツェを保護するカバーを付けることを忘れずに。電車などでは、手提げバックなどに収納して持ち運ぶことが望ましい。また、車に搭載する際は、車に傷をつけないようリュックから取り外すのがマナー。
〇ヘルメット
特に森林限界を越える稜線や岩場を歩く場合は必要。
<持ち物>
◎水分
冬はお湯やお茶など温かい飲み物の方がよい。保温性の高いテルモスや水筒などに入れて持参。
※冬山でも汗をかくので、夏山と同様の量を考える。
※ペットボトルのまま持参すると凍ってしまうので注意。
◎行動食(携行食)
夏期と同様。但し、おにぎりなどは凍ってしまうので、パンやカロリー食、お菓子(特に甘いもの)などを携行。厳冬期の雪山では長い休憩は取り難いため、火器は使わずに素早く摂取できるものを用意することを心掛けたい。
〇非常食
もしもの時に備えた食事で、例えばカロリー食など。
◎ヘッドランプ
夏山同様に必須アイテム
◎レインウェア
雪の少ない低山や冬でも気温の高い場合は必須。雪山用のオーバーパンツ着用の場合はなくてもよい。
〇リュックカバー
リュック備え付けの場合は不要。強風の場合は、リュックカバーが風の抵抗を受けて危険な場合もあるので、リュックの内側から防水する防水袋の方が望ましい。
△ラジオ
△ ゴミ袋
〇 タオル
〇 ティッシュ
〇 健康保険証コピー
〇 救急医薬品
〇 日焼け止め
紫外線対策は、夏山以上に必要。
△時計
防水タイプで標高表示できればなおよい。
△ カメラ
〇携帯電話
〇地図・コンパス
積雪により登山道がわかり難かったり、道標が埋もれていることもあり、夏山以上に必要性が高い。
※地図・コンパスの必要性については、「GPS時代の読図」を参照。
雪山特有の装備として、アイゼンとピッケルがある。
アイゼンはドイツ語で、英語ではクランポンという。
雪山の稜線でなくても、低山でも道が凍っていれば、登山靴では歯がたたない。アイゼンの装着が必須となる。アイゼンの爪は多いほど効果が高くなる。
春先の低山、夏の雪渓、冬の低山などでは、軽アイゼン(6本爪以下)でも対応可能だが、冬の雪山登山での急斜面や道が凍結している場合は、10~12本爪のものが必須。
アイゼンを装着するためには、ソールが曲がらない堅い靴であること、またワンタッチ式やセミワンタッチ式の場合は、靴のつま先とかかとにコバと呼ばれるくぼみがあるものが必要となる。何れにしろアイゼンを購入される際は、靴に合わせてみることが大切。
ピッケルはドイツ語、英語ではアイスアックスという。
ピッケルは、雪山で安全確保のために必要な道具で、森林限界を越える山や、転んだら滑落してしまうような急斜面や岩場を登攀する雪山登山ではなくてはならないもの。
通常は手に持ち、バランンスをとるために杖のようにして使うが、ピッケルの用途はそれだけではなく、ブレード(幅広の刃の部分)で凍った堅い雪や氷をカッティングして足場を作ったり、急斜面を登るときにピック(細く尖った刃先)を刺して使ったり、滑落停止や耐風姿勢の際に使用したりと、様々な用途がある。
ピッケルのシャフト(柄の部分)は、まっすぐのものと、曲がったものがあるが、縦走用にはまっすぐのものがよい。シャフトの長さは、シャフトの一番上を持って腕をまっすぐ下ろした状態で、スピッツェ(石突:柄の一番下の尖った部分)がくるぶしにくるくらいがちょうどいいと言われている。
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