· 

金峰山の表参道 御嶽古道コース紹介

金峰山  御嶽古道

金峰山 御嶽古道 コース ガイド
金峰山山頂から富士山をのぞむ

金峰山は古くは甲州御嶽山といわれ、金峰山の山頂にある五丈岩を御神体とした信仰の山。甲府にある金櫻神社の本宮として多くの修験者たちが歩いた道が、御嶽古道として今に伝えられている。

 

近年、この御嶽道を官民一体となって再整備するプロジェクトが立ちあげられ、クラウンドファンディングにより資金を募り、林道整備と駐車場整備が行われ、2024年10月より開通した。

 

 この御嶽古道を歩くコースを紹介する。

 

新たに整備された駐車場から水晶峠へ


金峰山 御嶽古道 コース紹介
林道から外れ左に上がって行く道

本コースは金峰山の南方・甲府側から登るもので、甲府市営林道御岳線の最終地点に新たに整備された駐車場から水晶峠を経由し、数々の奇石のある金峰山から南に延びる尾根に取り付く。

 

駐車場からゲートを通り抜け林道をさらに進むと左側にそれる道があるのでそれを上がって行く。この道も広い作業道で古道へのアプローチとなる。

 

金峰山 御嶽古道 コース紹介
谷筋のカラマツ林の中を進む

しばらく登っていくと平坦な場所にでると右方向にある1709mピークを左(西側)から巻くように細い道がある。ピークを1/4周くらいトラバースすると再び作業道にでるので、左折し作業道をしばらく進む。

 

1692m地点手前から作業道を離れ右に付けられた細い道を下る。

 

すぐに小川を渡り作業道を横切り、その後はしばらく左側の谷に沿ってつけられた道をカラマツ林の中を緩やかに登っていく。

 

金峰山 御嶽古道 コース紹介
神子ノ沢の二俣を右に分けた沢沿いの道

1830m付近で傾斜は緩み、今度は右に谷を見て、左の山腹をトラバースするようにつけられた道を、幾つもの枝沢を横切りながら進んでいく。次第に道は右の沢(神子ノ沢)に下りていく。

 

丸太の橋を渡り沢の左岸(向かって右側)を歩いて直ぐ先の沢の二俣を右の沢を渡り右の沢の右岸(向かって左側)を遡って行く。

 

次の左から小さな滝を落す二俣は、一旦右の沢に入りすぐに左上し、左の沢の滝の上に出て沢の左岸(向かって右側)を進む。次第に道は沢から外れ、緩やかに登って行くと水晶峠にでる。

 

水晶峠

金峰山 御嶽古道 コースガイド

標高1930mの水晶峠は、江戸時代の水晶の産地として知られる。現在でも「水晶の採取禁止」の看板もあることから、この地に水晶が眠っているのは間違いなさそうだ。水晶峠は半鐘峠(半鐘嶺)ともいわれ、かつての登拝者がここから御室小屋へ合図する半鐘があったと伝えられる。今はひっそりとした山深い地もかつては登拝者で賑わっていたのだろうか。

水晶峠~御室小屋跡~急な尾根~山頂へ

金峰山 御嶽古道 コース紹介
水晶峠を越えた先の河原の道

水晶峠を越え、反対側の道を下り左方向の沢に下って行く。さらに進むと右から入る沢(御室川)の河原を歩くようになる。

 

やがて沢は分岐するが沢と沢の間の尾根筋を進んで行くと平坦な場所にでてその先に材木だけが積まれた御室小屋跡がある。

この辺りから古道の雰囲気が漂ってくる。

 

金峰山にはネズコ林が多く、この辺りは「やまなしの森林100選」にも選定されている。

金峰山 御嶽古道 コース紹介
核心部のクサリ場(上から見た様子)

御室小屋跡を過ぎると、急な尾根を登るようになる。山頂まで続く高低差約600mの急登が始まる。

 

最初に現れるのは、このコースの核心部ともいえる一枚岩のクサリ場。一枚岩の傾斜は緩いが滑ると重大な事故に繋がりかねない露出感のある場所。クサリをしっかりと握り、最後に岩を乗越すところは慎重に。

 

振り返ると富士山の展望がよい場所だ。

 

金峰山 御嶽古道 コース紹介
一瞬樹林帯を抜け、五丈岩がのぞめる。

2100m付近では、梯子を2つ登り石碑のある大岩の下にでる。

 

その先にはザレた崩壊地(ロープが張られている)を通過したら、すぐに崩壊地に沿って上に上がっていく。

 

2300mを過ぎると樹林帯を抜け見通しの良い場所に出る。ここから目指す山頂の五丈岩が見え、後方には富士山もよく見える。

 

金峰山 御嶽古道 コース紹介
山頂の五丈岩が頭上に聳える。

再び樹林帯に入り、2400m付近でやっと樹林を抜け大岩の上や横を通り抜けながら登っていくと、五丈岩もまじかに迫り、やがて山頂へと導かれる。

 

 

 

 

 

 

 

金桜神社

金峰山 御嶽古道 コースガイド
山頂にある金櫻神社の石札

金櫻神社は、金峰山の山頂にある花崗岩の大岩「五丈岩」を御神体とした神社。金峰山山頂に本宮があり、山麓に里宮がある。金峰山信仰(御嶽信仰)の中心となる神社で、幕末までは蔵王権現と呼ばれ、その後「金櫻神社」と称するようになった。

 

御神宝はこの地で発掘された水晶「火の玉・水の玉」で、大火により焼失したが、後に復元された「昇・降竜」が奉納され、水晶を尾に絡ませている。

 

名前の由来でもある御神木の「金櫻」 は、古くから民謡に唄われている「金の成る木の金櫻」として崇められ、花が満開の季節にこの櫻を拝み水晶のお守りをうけると一生涯金運に恵まれ、厄難解除のご神徳をうけられるといわれる。

 

五丈岩は御神体ゆえ、登山者が登ることは硬く禁じられている。

 

金峰山 御嶽古道 ルートガイド
冬の五丈岩

<コースデータ>

コース:林道終点駐車場~水晶峠~御室小屋跡~金峰山山頂~往路下山

標高差:金峰山山頂2599m、高低差約1150m

コースタイム:登り約5時間、下り約3時間40分

アクセス:

甲府側からは、昇仙峡の先にある荒川ダムから県営林道野猿谷線を経由して市営林道御岳線へ。北杜市側からは、県営林道観音平大野線で木賊峠を経て、市営林道池の平線から御岳線へ。林道終点(ゲートあり)右側に30台ほどの駐車場があり、簡易トイレがある。林道は冬期閉鎖期間がある。

ガイドからのアドバイス:

・健脚であれば日帰りも可能。難しい場合は山頂を越えた金峰山小屋に1泊で計画するとよい。

・核心部のクサリ場は高度感もあり岩が濡れているときはより注意を要する。特に下りは慎重に!

・赤布(ピンクリボン)がかなりの頻度で印されているため迷うことはまずない。ピンクリボンが見当たらなくなったら間違っていると思った方がよい。

・途中には山小屋やトイレなどはない。

 

金峰山 瑞牆山荘からのコース

金峰山 廻り目平からのコース

 

金峰山 御嶽古道 コースガイド
金峰山 御嶽古道ルート図