阿弥陀岳登山コース情報
赤岳開山ルート~御小屋尾根コース~
御小屋山は、阿弥陀岳の西方中腹にある山で、かつては諏訪大社の御柱祭の樅の木を切り出していた場所。その御小屋山を通る御小屋尾根コースは、原村から登る八ヶ岳の唯一の登山コースで、阿弥陀岳を越えて赤岳を開山したルートでもある。今回はその赤岳開山ルートを辿り、阿弥陀岳に登るコースを紹介しよう。
船山十字路~御小屋山
舟山十字路の登山口を起点にした往復コース。
車止めを通り過ぎ、林道を進むと直ぐに分岐があり、左に入る。
しばらく広い道を登っていくと道は狭まり本格的な登山道となる。
その先に分岐があり、阿弥陀岳は左方向だが、右方向には「虎尾神社」があり、立派な「赤岳開山碑」もあるので是非立ち寄って行こう。
しばらくなだらかな道が続き、やがて急斜面をジグザグに登るようになる。
ジグザグの道を登りきるとまた分岐があるが、右の阿弥陀岳方面へと登っていく。
この辺りから林床の美しい苔が目を楽しませてくれる。
登山口から約2時間ほどで左から美濃戸口からの道を合わせ、御小屋山の山頂に着く。山頂は原村設置の道標とその先に茅野市設置の標柱とがある。
赤岳開山碑
赤岳の開山者は複数いると言われている。
その内のひとり海山坊という僧侶が、江戸時代にこの御小屋尾根から阿弥陀岳を越えて赤岳に至るルートを開拓した。虎尾神社の奥には開山を記念して建てられた大きな石碑がある。
八ヶ岳開山祭
八ヶ岳開山祭は毎年6月の第一日曜日に各市町村が開催している。
原村では御小屋尾根から阿弥陀岳を目指し、山頂でお祓いを行う行事が行われている。ここ数年コロナの影響で一般参加は中止となっており、再開が待たれるところである。
御小屋山~不動清水
御小屋山からはしばらくなだらかな道が続き、少し下った後に登り坂となる。
展望のない道が続くが、途中右側が少し開けた場所があり、よい休憩ポイントだ。
急な道を登っていくと右に「不動清水」の道標がでてくるので、水場に寄ってみよう。八ヶ岳の美味しい天然水が味わえる。
不動清水~阿弥陀岳山頂
不動清水からは道はさらに急登となり、グングンと高度を上げて行く。
次第に視界が開け、前方に目指す阿弥陀岳がのぞまれるようになる。
やがてシャクナゲやコメツガの背丈も低くなり、足元もザレてきて森林限界へと飛び出す。
ハイマツ帯の中のガレ場を登っていくと、ロープが設置された脚立梯子を登り、中央稜への分岐を左に進む。
岩場をトラバースするように進んで行くと、このコースの核心部ともいえる鎖場がある。まずロープにつかまり岩場を登り、鎖場、梯子と下り大岩を越えていく。
その先はなだらかな稜線を辿り阿弥陀岳山頂に導かれる。
御柱(おんばしら)
御柱祭とは、諏訪地方で7年に一度行われる諏訪大社のお祭り。柱を山から切り出し、曳いて境内の宝殿の四隅に建てる一連の神事。日本三大奇祭のひとつとされる。この柱又はお祭りのことを「御柱」と呼んでいる。
柱は、かつては御小屋山の樅の木を伐り出して使われていた。御小屋山の麓には諏訪大明神を祀る諏訪大社の奥社がある。
<コースデータ>
コース:船山十字路登山口~(1時間50分)御小屋山~(1時間40分)不動清水~(1時間50分)阿弥陀岳山頂~往路下山
標高差:阿弥陀岳山頂2805m、高低差約1200m
コースタイム:登り5時間20分、下り3時間50分、合計9時間10分
アクセス:
舟山十字路まで、車で中央自動車道 諏訪南IC又より約20分。公共交通機関はない。
バリエーションコース:
・公共交通機関利用の場合は、美濃戸口から御小屋山に登るルートがある。(コースタイム1時間50分。
アドバイス:
・途中には山小屋もなく長丁場になるので、早めの行動がのぞまれる。
・阿弥陀岳登頂だけを目指すのであれば、所要時間の短い行者小屋からのコースがよい。
コメントをお書きください