権現岳への古道を辿る
御題目尾根と御神楽尾根
八ヶ岳の中でも信仰の山として歴史の古い権現岳。現在の天女山からの登山道ができる前に登られていた権現岳への登路(古道)、御題目尾根と御神楽尾根を紹介します。御題目尾根は赤テープや踏み跡もありますが、御神楽尾根の上部はほとんど踏み跡もなく下降する場合はルートファインディングが求められるルートです。
御題目尾根~前三ツ頭
御題目尾根は、権現岳への登山道の途中にある前三ツ頭というピークから派生する尾根で、材木尾根とも呼ばれています。
権現岳への登山口、天女山を起点に御題目尾根~前三ツ頭~御神楽尾根のルートを紹介します。
権現岳への登山道に入り、ひと登りで天の河原にでます。
その先で権現岳への登山道を分け、八ヶ岳横断歩道に入ります。
八ヶ岳横断歩道は八ヶ岳の南麓を横断する登山道で、美し森~観音平まで続いています。
横断歩道は甲川の谷へと下り、尾根へと登り返します。
尾根上に上がると、道は右に屈曲し、しばらく尾根を登るように道がつけられています。
標高1780m付近で登りが終わり、道は左に曲がり、さらに左に曲がって道は尾根を下っていきますが、ここが古道の入口になります。尾根を下らずに、横断歩道に別れを告げ、尾根を上がって行きます。
入口付近は踏み跡が薄くわかり難いかもしれませんが、少し尾根を上がって行くと踏み跡も明瞭となり、赤テープが目印になります。
すぐに石の祠と石仏が現れます。
しばらく進むと、見通しのよい砂礫地にでます。
すぐに樹林帯にはりますが、このような砂礫地に何度か出たり入ったりしながら尾根上を進みます。
ところどころ踏み跡が薄いところもありますが、尾根を外さないよう注意していれば迷うことはありません。
次第に樹木も疎らになり、砂礫地が続くようになります。この辺りから眺めもよく、南アルプスや富士山が望めます。
火山岩で裸地になった尾根上を歩くようになり、前方に前三ツ頭のピークが見えます。
この辺りには岩に突き刺さった鉄剣が見られるのですが、剣は岩から落下してしまい、地上に落ちていました。
標高2150付近で尾根は岩壁にぶつかります。岩場を斜上していくと、天女山からの一般登山道にとびだします。ここは御題目尾根と一般登山道の尾根とに尾根が分岐する場所になります。
ここから前三ツ頭までは一般登山道を登っていきます。
前三ツ頭までは、天女山登山口から約3時間ほど。
この先は、登山道は三ツ頭を越えて権現岳へと続いています。
前三ツ頭~御神楽尾根
前三ツ頭のピークから南方に派生する尾根を下っていきます。
踏み跡はほとんどありませんが、尾根を外さないように下っていきます。所々尾根上にある岩場を巻きながら進みます。
少し下ると前方に南アルプスの稜線が浮かぶ、平らなスコリアの裸地に出ます。
さらに尾根上を進むと岩場が出てきますが右から岩場を避けて通れます。
その先は樹林帯へと入っていきます。
2070m付近から左(南南東方向)に派生する尾根に入ります。この尾根が御神楽尾根になります。
踏み跡も赤テープもありません。
尾根の派生部分はそれが尾根であることがわかり難く、注意していないと見落としてしまいます。
斜面を下っていくと次第に顕著な尾根になっていきます。
笹に覆われた樹林の中の尾根を下っていきます。
御神楽尾根に入ってからも安心はできません。2000m付近から南東に枝尾根が派生しています。進むべき御神楽尾根は南方向です。
尾根が広いため、うっかりすると南東方向の尾根に迷い込んでしまいますので要注意です。
南東方向の尾根を分けると踏み跡は明瞭になり見通しの良い砂礫地に出ます。
尾根を下ってくと、岩場があり左から巻くように踏み跡があります。
さらに下ると、横断歩道の展望台があり、ほどなく横断歩道に合流します。
横断歩道に出たら、あとは天女山方面に横断歩道を辿って戻ります。
<コースデータ>
コース:天女山~八ヶ岳横断歩道~御題目尾根~前三ツ頭~御神楽尾根~八ヶ岳横断歩道~天女山
コースタイム:天女山~御題目尾根~前三ツ頭 約3時間
前三ツ頭~御神楽尾根~天女山 約3時間
標 高:天女山1520m 前三ツ頭2364m
※本コースは、一般登山道ではありません。踏み跡の薄い箇所もあり、ルートを把握されている方や読図スキルのある方との同行が必要です。
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