北岳のおすすめ登山コース
南アルプス 花の名山へ
富士山に次ぐ国内第２の高嶺、南アルプスの北岳（3193ｍ）は、高山植物の宝庫でキタダケソウに代表されるように固有種も多い山です。今回紹介するコースは特に高山植物が豊富な、大樺沢から八本場のコル、トラバース道を通り北岳山荘へ、翌日に北岳に登り、草スベリコースを下山するものです。
このコースは、梯子が連続する岩場もあり、また大樺沢は遅くまで雪渓が残るため、７月下旬以降がおすすめのコースです。また、９月以降は台風による増水の恐れから、架設の橋が撤去され、通行できない場合もあります。
コース紹介
１日目 大樺沢コース 広河原～八本場のコル
広河原から野呂川に架かる吊り橋を渡り、広河原山荘の横を通り登山道に入ります。
尾根を少し上がったところに、御池コース（白根御池小屋に向かう尾根コース）への道を分け左に進みます。
大樺沢の左岸に沿って進み、橋を渡って大樺沢の右岸を登り、しばらく行くと再び橋を渡り返し左岸を進むようになります。
河原沿いの道を進むと、前方に北岳バットレス（急峻な岩壁）や大樺沢の雪渓が見えてきます。
大樺沢沿いの見通しのよい道の草付きに咲く紫色のミヤマハナシノブが印象的です。
沢沿いを進んで行くと二俣にでます。
ここまで広河原から約２時間です。
二俣ではシーズには仮設トイレも設置され、よい休憩ポイント。
ここは登山道が三又に分かれ、白根御池小屋に向かう道と、草スベリコースの上部で合流する道に分かれ、今回はそのまま沢沿いを登っていきます。
大樺沢の左岸の草地を登っていくとバットレスがいよいよ迫ってきて圧倒されます。登るにつれて傾斜も増してきます。この辺りは７月下旬頃まで登山道が雪渓に覆われているので、時期によってはアイゼンを携行するのがよいでしょう。。
大樺沢の上部二俣まで来たら、左の沢沿いを辿り、右の尾根に取り付き登るようになります。
次第に傾斜は急になり、階段状の梯子をいくつも登るようになります。
急斜面を登り切ると八本場のコルの西側に飛び出し、大展望が広がります。
二俣からここまで約２時間３０分のコースタイムです。
目指す北岳山荘やその向こうに間ノ岳などが見えます。
トラバース道～北岳山荘
コルからは岩場の尾根を登っていきます。長い梯子もあります。しばらく登ると北岳山荘に向かうトラバース道の分岐があり、左方向に進みます。
トラバース道は、山の斜面にある狭い登山道で、岩場に足場や梯子を渡したようなところもあり、注意しながら進んで行きます。
トラバース道は、このコースの核心部といってもいいところですが、高山植物の核心部でもあります。
高山の花がすべてここにあるのではないかと思ってしまうほど豊富です。
コルからコースタイムで約１時間３０分、トラバース道を経て北岳山荘に到着します。
２日目 北岳山荘～北岳山頂～草スベリコース
北岳山荘から北岳へ向かいます。
しばらく登っていくと、行きにトラバース道と分岐し、上がってくる道と出合います。
ハイマツに囲まれた岩稜帯を上り詰めれば北岳山頂です。
北岳山荘から山頂まで約１時間２０分。
北岳山頂からは下って一度登り返してから、急な岩場を下っていきます。
しばらく行くと両俣小屋への道を右に見送り、ひと下りすれば肩の小屋に到着です。
肩の小屋からはしばらく緩やかなハイマツ帯を下っていきます。左手にはのびやかな小太郎尾根が、その向こうには遠く甲斐駒ヶ岳が見えます。
一箇所岩場の鎖場があります。
小太郎尾根分岐を右方向に曲がり、草スベリの急な斜面を下るようになります。
二俣への道を右に分け、長い下りが続きます。
草スベリの名のとおり、草付きの急斜面をジグザグに下り、下方に白根御池が見えてきたらあとひと息です。
下りきると白根御池小屋にでます。
山頂からここまで２時間１０分ほど。
ここからは行きに分岐した尾根コースを広河原に向かって下っていきます。
広河原まで約１時間５０分。
＜コースデータ＞
コース：（１日目）広河原～二俣～左俣コース～八本歯のコル～トラバース道～北岳山荘 （２日目）北岳山荘～北岳山頂～肩の小屋～草スベリコース～白根御池小屋～広河原
標 高：広河原（1530ｍ）、北岳山荘（2900ｍ）、北岳山頂（3193ｍ）
コースタイム：広河原～北岳山荘６時間、北岳山荘～山頂１時間２０分、山頂～広河原４時間
広河原までのアクセス：芦安市営駐車場から路線バスにて約１時間（季節運行）
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