編笠山・西岳の雪山コース
雪山登山初級コース
編笠山 富士見高原から編笠山へ
八ヶ岳の最南端に位置する編笠山(標高2524m)は、日帰りも可能で、本格的な雪山登山を目指す八ヶ岳の初級コースとして人気の山です。八ヶ岳の中では比較的積雪量も少なく、鎖場もありませんが、山頂直下では森林限界の岩場があり、しっかりとしたアイゼンワークが求められる雪山登山コースです。
冬の編笠山の良さは何といっても山頂からの展望です。360℃の視界があり、雪を纏った富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプスが一望でき、北側には南八ヶ岳の権現岳、阿弥陀岳、赤岳の険しい頂を仰ぎ見ることができます。
編笠山の登山口は、夏期には南麓の観音平から登るのが一般的ですが、冬期は観音平までの県道が冬期閉鎖となり、県道を歩いて観音平まで行くと1時間以上かかります。冬期は西麓の富士見高原の登山口が車でのアクセスが便利です。
富士見高原の登山口までは、中央自動車道小淵沢ICから約10分ほど、電車では中央本線小淵沢駅からタクシー利用となります。
富士見高原ゴルフコースの手前にある登山者専用駐車場が利用できます。
駐車場を出てゴルフ場入口を左手に見ながら舗装道を登っていきます。
車両ゲートの脇を通り直進します。
車両ゲートの先に登山口の案内看板と登山ポストがあります。
林道に出たら左折します。
直進方向に道がありますが、土砂崩れにより通行不可となっています。
林道を進むと岩が堆積する涸れ沢を渡る橋を進みます。
沢を渡った先にある右側の道に入ります。
再び林道に出たら、右折します。
右折したすぐ先は五差路になっていて、編笠山へは左から2番目の道に入ります。
しばらく進むと、西岳登山口の不動清水からの道に突き当たり、これを右に進みます。
赤布に従って涸れ沢を渡り、しばらく沢沿いの道を上がっていきます。
沢沿いから尾根に上がります。
ここまでかなり複雑なややこしい道でしたが、ここからは1本路となります。
傾斜の緩やかな道が続きます。
登山道は標高1800mくらいから東寄りに進路をとり、傾斜も増してきます。
登山道沿いには標高と山頂までの所要時間が記載された看板が、標高100m毎にあり、いい目安になります。
急な尾根道をジグザグに登っていきます。この辺りはやや単調で長い尾根道を喘ぎ登ります。
標高2200mくらいで傾斜が緩みほっと一息です。
シャクナゲの木が多くなってきたところで、「シャクナゲ公園」の看板が出てきます。
この辺りから積雪も多くなってきます。
標高2300mくらいから大きな岩がゴロゴロする道になり、岩に乗った雪の上を歩くようになります。
この辺りからは10本歯以上のアイゼンが必須となります。
段差も大きくなるので注意を要します。
次第に樹木の背丈も低くなり、振り返ると木々の合間から南アルプスが見えてきます。
標高2400m付近。いよいよ森林限界です。雪の付いた吹きさらしの岩場を歩くようになります。
強風の際はここで進むか撤退するかの判断が求められます。
大きな岩を縫うように進みます。
標高差150mほどの雪の岩場の登高は
しっかりとしたアイゼンワークが求められます。
道を見失わないよう注意しましょう。
背景には北岳、甲斐駒ヶ岳などの南アルプス全容が姿を現します。
そして山頂が見えてきます。
山頂からは八ヶ岳連峰、富士山、アルプスの山々の連なりが目に飛び込んできます。
雄大な雪山の眺めを目に焼き付けてください。
下山は往路を戻りますが、山頂からは3方向に登山道がありますので、特に視界が悪いときは下山路を間違えないよう注意してください。
<コースデータ>
コース:富士見高原登山口~五差路~盆流しへの分岐~シャクナゲ公園~編笠山山頂
標準コースタイム:上り約4時間、下り約3時間
※下山路を青年小屋に下り、西岳を経由する選択もあるが、プラス1時間余計に掛かる。
西岳 富士見高原から西岳へ
西岳は八ヶ岳連峰の南部にあり、八ヶ岳最西端に位置するピークです。標高は2398mと編笠山よりやや低く、コースタイムも短く岩場も少ないので、より雪山初心者向きと言えるでしょう。
編笠山と同様の富士見高原の登山口から日帰りで往復可能です。
富士見高原の登山口駐車場から五差路までは編笠山へのルートと同様ですので、上記編笠山へのコースをご参考にしてください。
五差路では一番左の「西岳・不動清水」方面の道へ進みます。
林道を進んでいくと、不動清水という湧き水とベンチのある広場にでます。
右方向は編笠山登山道へ、直進が目指す西岳方面です。
湧き水の裏側から本格的な登山道が続いています。
しばらくカラマツ林の緩やかな道が続きます。
途中3回ほど林道を横切ります。
標高1900m付近の林道を最後に、登山道も傾斜を増していきます。
岩がゴロゴロしている急な道を過ぎると、小広場に出ます。
ここはよい休憩ポイントになります。
休憩ポイントからは登山道の岩の段差も大きくなり少し歩き難くなってきます。
しばらく上ると樹林帯を抜け見通しのよい場所にでます。
ここからは振り返ると南アルプスの雄姿をまじかにのぞむことができます。
ここまで登ってきた甲斐があったと思う瞬間でしょう。
道は一端樹林帯に入り、ひと登りすると西岳山頂に到達します。
山頂は北側が樹林で覆われているので八ヶ岳の連なりがあまりよく見えませんが、権現岳、編笠山、富士山、南アルプスはよく見えます。
下山は往路を戻ります。
山頂からは登山道が3方向にあるので、下山時は注意してください。
<コースデータ>
コース:富士見高原登山口~五差路~不動清水~小広場~西岳山頂
標準コースタイム:上り約3時間30分、下り約2時間30分
※下山路を青年小屋に下り、編笠山を経由して周回することも可能。体力に自信があり、天候がよければ是非挑戦してみてください。
※青年小屋は冬期営業は行っていないが、テント場と冬期小屋が解放されています。
編笠山、西岳の雪山登山ガイド
上記で紹介したコースで編笠山や西岳を目指す、日帰り雪山登山のガイドプランを実施しています。
アイザンワークやピッケルの使い方などを学びながら八ヶ岳の雪山に挑戦してみませんか。
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