権現岳おすすめコース
編笠山・青年小屋を経由するコースガイド
観音平~編笠山
今回は観音平から編笠山、権現岳のルートを紹介します。
観音平へのアクセスは、車であれば中央自動車道小淵沢ICより20分程。電車であれば中央本線小淵沢駅よりタクシーで同じく20分程とアクセスが便利です。
ところで権現岳の登山の難易度は、山梨県や信州の山のグレーディングによると、4Cと位置づけられています。山のグレーディングは、所要時間や距離などを1~10の10段階と登山道の状況と技術度A~Eの5段階で評価しています。
C評価というのは、登山道にハシゴ・くさり場(又は雪渓や渡渉場)があり、ミスをすると転落・滑落などの事故となる場所があり、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要とされています。
同じ4Cに相当する山としては、白馬岳(大雪渓ルート)などがあり、八ヶ岳の主峰赤岳の美濃戸から文三郎尾根コースの3Cよりも体力度は上になります。
天女山からは三ツ頭を越え、観音平からは編笠山を越えることになるので、より体力を要するわけです。
今回紹介する観音平からのコースは、編笠山を越えて青年小屋を経由して登るルートです。
途中に山小屋があるのが安心ですが、天女山のコースに比べクサリ場が多くあります。
岩場や森林限界を歩くということから、初心者の方は、充分な経験のある方と同行することをお薦めします。
起点は観音平登山口。(標高1580m)
駐車場は2箇所に分かれていて約70台ほど駐車できますが、休日はすぐに一杯になるので、早めに到着することをお薦めします。
登山口からしばらくは、カラマツ林の林床に笹が生える緩やかな道を歩いていきます。
1時間ほど登ると、雲海に到着します。
雲海は東側が開けていて、ベンチもあり休憩ポイントです。
雲海からもしばらくは笹原の中の道を進みますが、標高1,900mを過ぎた辺りから、黒い岩がごろごろした道に変わり、傾斜も増してきます。辺りはコメツガやシラビソの森へと変化し、林床には苔が多くなってきます。
雲海から50分ほどで押手川に到着します。
見晴らしはありませんが、ここも休憩によい場所です。
この周辺ではシャクナゲが多く、7月頃に開花します。
押手川では、道が二手に分かれ、一つは編笠山山頂に向かう道、もう一つは編笠山の山頂を通らずに青年小屋に向かう道です。
今回紹介するコースは、往路は編笠山山頂を通り、帰りは青年小屋からこの巻き道(編笠山山頂を通らない道)を通って戻ります。
編笠山に登らず、権現岳を目指すのであれば、約30分は短縮できるので、天女山からよりも短い時間で登ることが可能です。
押手川からは直進方向の編笠山山頂を目指します。
押手川からはさらに傾斜は急になり、約1時間20分の登りが待っています。
しばらくは見通しのない樹林帯の中の道を高度を上げていき、標高2,300M付近からハイマツやオオシラビソに変わり、次第に樹高も低くなってきます。天気がよければ、振り返ると南アルプスや富士山が見えてきます。
真っすぐな急坂を登り、樹林帯を飛びだすと、編笠山の山頂まではもうすぐです。
編笠山山頂~青年小屋へ
編笠山山頂はで展望を楽しんだ後は、青年小屋方面に向かいます。山頂からは富士見高原に降りる道もあるので間違えないよう道標をよく見て間違えないよう注意しましょう。
山頂から一端下ります。
急なシャクナゲのトンネルの道を下って行くと、視界が開け、下方に青年小屋が見えてきます。
大岩を縫うようにペンキマークに従い下って行きます。
山頂から青年小屋までは20分程度です。
青年小屋で先ほど押手川で分岐した巻き道が合流します。
青年小屋~権現岳へ
青年小屋から権現岳方面に樹林帯の中を進みます。
しばらく緩やかな登り道が続きますが、やがて急登となり、青年小屋から20-30分ほどで森林限界に達し、ノロシバ(のろし場 標高2530m)というピークがあります。
ノロシバからは本格的な高山帯となり、ハイマツ帯の中の道を少し下った後は、ザレた急な斜面をジグザグに登っていきます。
この辺りは高山植物が豊富で、開花時期には多くの高山植物の花が見られます。
斜面を登り詰めると、クサリ場があり斜面を右にトタバースするように進みます。
更に登っていくと、再びクサリ場があり、左側が岩の斜面で、右側は谷が切れ落ちています。ルンゼを横切り直角に右に道は曲がっており、ここは慎重に通過しましょう。
更に進むと長い鎖場がでてきますが、右側はハイマツの斜面で高度感はなく、クサリは補助程度に考えて登っていけます。
クサリ場を過ぎると双耳峰である権現岳の西峰のピークの横をかすめて通過し、ここまでくれば道も緩やかになります。目指す権現岳の東峰も大きく見えてきます。
前方に権現小屋が見えれば、ゴールまであと一息です。
権現小屋の横を通過し、少し登ると赤岳への縦走路にでます。
この分岐を赤岳とは反対方向(三ツ頭方面)に右に折れます。
少し進むと権現岳頂上の道標があり、道は二俣に分かれているので、左の上方向に進めば、岩場の上に山頂を記す矛が横たわっています。
頂上は狭く、縦走路の通過点で矛のある岩場にお参りに行く感じの場所です。
ノロシバから約1時間の行程です。
山頂から南に下れば、三ツ頭、天女山登山口へと通じています。
今回は来た道を戻ります。
青年小屋まで戻り、一服した後は、帰りは編笠山に登らず巻き道を通って行けば、青年小屋から50分ほどで押手川に戻ります。
ここからは往路を観音平へと下山します。
コースデータ
所要時間:観音平~権現岳 約5時間(下山約3時間30分)
標 高:1,580m~2,715m
※写真はすべて2020年7月中旬のものです。
本コースで7月に見られる高山植物
本コースを山小屋泊で登るガイドプラン
上記ルートは日帰りでも可能ですが、長丁場になります。
体力的に不安な方は、青年小屋で1泊して2日目に荷を軽くして権現岳を目指すのがおすすめ!
はじめての山小屋泊の方も歓迎、編笠山・権現岳2山に登頂するガイドプランをご用意しています。日程や集合時間もお客様のご希望で実施するガイドプランです。
詳細はこちらをご覧ください。
コメントをお書きください
粥川勝 (水曜日, 13 3月 2024 18:30)
2年前、心筋梗塞を煩いましたが今は安定しています。グループで川辺の権現岳を散策したいですが、ゆっくり歩いてみたいと思いますが無理でしょうか。