八ヶ岳屈指の展望所 硫黄岳
硫黄岳に登る最短コース
今回おすすめするコースは、八ヶ岳の西側にある桜平登山口からのコースで、硫黄岳への最短ルートです。
美濃戸登山口からのコースもありますが、標準タイムで1時間以上短縮できます。
また、途中に山小屋も多く何かと安心です。コース上に危険個所は少なく、初心者から楽しめるコースですが、そうは言っても、硫黄岳は標高2760mの山、森林限界を越えて吹きさらしを歩きますので、経験者の同行があった方がよいコースです。
桜平登山口~夏沢峠
桜平登山口には、駐車場はありますが狭く多くの車は停まれません。登山口の少し手前に「桜平駐車場(中)」という駐車場があり、ここは広くておすすめです。そこから登山口のあるゲートまでは歩いて10-15分程度です。
桜平登山口のゲートを通り、林道を辿って進みます。
林道は一端下り、橋を渡り、登りに転じます。もう一度橋を渡り、急な林道を登っていきます。
登山口から30分ほど歩くと、夏沢鉱泉が見えてきます。
夏沢鉱泉からは登山道となり、沢沿いの道を歩き、何度か沢を渡り返して進みます。途中左側に崩落の危険箇所がありますが、迂回路が付けられています。
針葉樹林の苔生した雰囲気の沢沿いの道を、野鳥のさえずりも聞こえ癒されます。
夏沢鉱泉から40-50分でオーレン小屋に着きます。
オーレン小屋では、峰の松目・赤岩の頭方面への道と、根石岳・天狗岳方面への道と夏沢峠への道と3つに分かれますが、夏沢峠方面へと進みます。帰りは赤岩の頭方面からオーレン小屋に戻ってきます。
オーレン小屋から夏沢峠への道は、沢のような窪んだ道を通り、徐々に高度を上げて行きます。
オーレン小屋から約20分ほどで夏沢峠にでます。夏沢峠では展望が開け、目指す硫黄岳方面が見えてきます。
夏沢峠は南八ヶ岳と北八ヶ岳の分ける場所でもあります。
この夏沢峠でも、根石岳・天狗岳方面と、本沢温泉方面と硫黄岳方面へと道が分かれますが、硫黄岳方面へと進みます。
夏沢峠~硫黄岳山頂
ここから本格的な登りとなり、徐々に樹林の背丈も低くなり、ザレた道になってきます。
夏沢峠から少し登ったところにも、左側が切れ落ちている危険箇所があり、ここも右からの迂回路があります。
やがて木々もまばらになり、森林限界を迎えます。
道はガレ場となり、急なジグザグの道に変化します。
高度はグングンと上がり、振り返ると先ほどの夏沢峠が小さく見え、北側には双耳峰の天狗岳が姿を現わします。遠くには北アルプスの稜線も見えてきます。
急なジグザクの道が終わると、前方に目指す硫黄岳が見え、広々とした登山道を進むようになります。
左側には断崖絶壁の爆裂火口も見えてきます。
ケルンが立ち並ぶ道を登り詰めていくと、やがて広々とした硫黄岳山頂に到着です。
山頂の反対側には、横岳、赤岳、硫黄岳の稜線が間近に迫って見えます。
硫黄岳と横岳の鞍部にある硫黄岳山荘付近では、時期によってはキバナシャクナゲやウルップソウ、コマクサなどの珍しい高山植物が見られます、時間があれば硫黄岳山荘を往復するのもいいでしょう。(往復約40分~1時間)
硫黄岳~赤岩の頭~オーレン小屋
今回紹介するコースは、硫黄岳山頂から往路を戻らず、赤岩の頭へ下り、オーレン小屋に戻るルートです。
登りと違うコースを歩けるのも魅力です。
硫黄岳山頂は広く、霧などで視界が悪い時は、降り口を間違えないようよく標識をよく見て下るようにしましょう。
赤岩の頭までは15分程度で下れますが、岩場やザレた道なので慎重に下りましょう。
赤岩の頭でも、道は赤岳鉱泉方面と、峰の松目方面と進むべきオーレン小屋方面と分かれます。硫黄岳を背に右下に下る道を進みます。
この道は冬季は通行禁止となっていますが、雪のない時期は特に問題ありません。はじめ沢型の道を下って行きますが、途中から尾根道になり、樹林帯を進むようになります。
途中で峰の松目からの道が合流し、やがて橋を渡るとオーレン小屋のテント場にでます。赤岩の頭から約50分ほど。
オーレン小屋からは、来た道を戻っていきます。
<コースデータ>
標準コースタイム
約5時間
標 高
桜平駐車場(中)1,850m~硫黄岳山頂2,760m
駐車場
無料駐車場(約60台) トイレ有(2020/7現在コロナの影響により閉鎖中)
アクセス
車で中央自動車道諏訪南ICから約40分。
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