麦草峠~茶臼山
今回紹介するトレッキングコースは、北八ヶ岳を通る国道299号線(通称メルヘン街道)にある麦草峠が出発地点になります。
麦草峠には、麦草ヒュッテという山小屋がありますが、国道を隔てて反対側の登山道に入ります。
登山道に入るとすぐに右側に「茶水池」という小さな池があり、右の雨池への道を分け直進します。
木道の敷かれた道の両脇は、苔生した森が続きます。
この辺りでは、イワダレゴケ、ムツデチョウチンゴケ、タチハイゴケ、チシマシッポゴケ、フウリンゴケ、コセイタカスギゴケ、ホソバミズゴケなど八ヶ岳の代表的なコケ類が勢ぞろいしています。
大石峠で道は分岐し、右の茶臼山方面へと登っていきます。
ひと登りすると見通しのいいところに出て、これから目指す茶臼山や縞枯山が望めます。
再び樹林帯に入ると、茶臼山山頂までちょっと急な道が続きます。
この辺りから6月下旬ごろから白い可愛らしい花のオサバグサが開花し始めます。ミツバオーレン、コミヤマカタバミ、タケシマランなども見かけます。
麦草峠から1時間足らずで茶臼山山頂に到着。
山頂は西側が開け、八ヶ岳連峰が見渡せる、よい休憩ポイントです。
茶臼山~坪庭
茶臼山から先は一端下りになります。
この辺りからは、縞枯山の名前の由来にもなった縞枯れ現象が確認できます。
縞枯れ現象とは、亜高山帯針葉樹林のシラビソやオオシラビソが帯状に枯れ、その縞枯れの帯が、山頂に向かって長い年月をかけ移動していく現象。
茶臼山と縞枯山の鞍部まで下ると、左に入る道がありますが、縞枯山方向に直進します。
この辺りでは、7月頃になるとバイケイソウの花が見られます。
ここからは縞枯山への登り道となります。
斜面が緩むと、右に展望台があるので寄ってみましょう。
6月頃だと展望台の岩場にイワカガミやコケモモが咲いています。
登山道に戻り、平らな道を進んでいくと、縞枯山の山頂に到着。山頂といっても見晴らしはなく、道端に道標があるだけのい山頂です。
ここから一気に急な坂道を下って行きます。滑りやすいので注意しましょう。
下りきると四差路の雨池峠に出るので、左方向に進みます。
開けた平坦な道の右手には三角屋根の縞枯山荘が見えてきます。
山荘を通りすぎると右手に階段があり、その上にある坪庭へと進みます。
坪庭は、八ヶ岳で唯一の活火山である北横岳の噴火によってできた溶岩台地で、高い木が生えず、ハイマツや高山植物が生育する場所になています。坪庭より上部にある北横岳では再び樹林帯となり植生分布の逆転現象がみられます。
坪庭では、コケモモ、コメバツガザクラ、ミネズオウ、ウラシマツツツジなどの高山植物が見られます。
坪庭を通り抜け、北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅の前を通り、駅とは反対方向に少し戻ったところにある分岐を五辻(麦草峠)方向に入っていきます。
アルプスの山々が見渡せる展望のいい場所もあります。
しばらく緩やかな下りの道が続き、森の中に入ると再び苔の多い道になります。
この辺りでは、苔の絨毯の上に、6月だとオサバグサやコミヤマカタバミ、マイヅルソウなど、7月にはイチヤクソウなどが咲いています。
「五辻」とい場所では左に入る道がありますが、これは茶臼山と縞枯山の鞍部で左に入る道が、ここに出てきます。
ここは直進し、ちょっと先に進むと右側に東屋があり、いい休憩ポイントです。
さらに緩やかに下っていき、「出会いの辻」で左に折れます。
ここからは緩やかな登り道に変わります。
森を抜けると「オトギリ平」というところにでます。ここも分岐し、左方向へと向かいます。
しばらく行くと笹原の開けた気持ちのいい道を歩くようになります。
草原から再び森に入ると、最初に通った大石峠に戻ってきます。
ここからは往路を麦草峠へと戻ります。
時間があれば、麦草峠のヒュッテの横に広がるお花畑の斜面を散策してみるのもいいでしょう。
今回のルートは、麦草峠を起点に紹介しましたが、北八ヶ岳ロープウェイを起点に周回しても同じことですが、後半に登り基調になるのが辛いかもしれません。
<コースデータ>
所要時間
約5時間
標 高
麦草峠2,120m~茶臼山2,384m~縞枯山2,403m~山頂駅2,233m~出会いの辻2,070m
駐車場
麦草峠の諏訪側にある無料駐車場(約30台) トイレ有
アクセス
麦草峠までは、夏期は茅野駅から路線バスが運行。車では中央自動車道諏訪南ICから約50分。
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