唐沢鉱泉~黒百合ヒュッテ
7月頃に見られる高山植物と登山ルートの紹介です。
今回おすすめする天狗岳の周回ルートは唐沢鉱泉が起点となります。
唐沢鉱泉を通りすぎ、林道を進んだ先の右側の橋を渡って登山道に入ります。
登山道は苔生した緩やかな道が続きます。
針葉樹の森の中の沢を何度か渡り返しながら歩くこと約1時間で、渋の湯からの道と合流します。
ここからは沢沿いの道となり、八ヶ岳らしい苔生した風景が続きます。
コケの種類も豊富で、コケの観察をしながら歩いても楽しいところです。
途中ではオサバグサに出会えます。
他にミツバオオウレンやズダヤクシュ、咲き終えたセリバオオウレンなども見掛けます。
黒百合ヒュッテに近づくとイワカガミが咲いています。
登山口から約2時間で黒百合ヒュッテに到着。
黒百合ヒュッテ周辺では、その名のとおりクロユリにも出会えられるかもしれません。
周辺では、他にミヤマハタザオ、ミヤマゼンゴなど、またウラジロナナカマドやミネザクラなどの低木も花をつけています。
黒百合ヒュッテ~天狗の奥庭~天狗岳山頂
黒百合ヒュッテから天狗岳に登るルートは、中山峠を経由するものと、すりばち池のある「天狗の奥庭」と呼ばれる一帯を通るものと二通りあり、所要時間はほぼ同じ。今回は天狗の奥庭のほうのルートを辿ります。
登り始めると、ゴゼンタチバナやコケモモが見られます。
この辺りからは高山植物も多いところで、イワツメクサ、ツガザクラ、ウラシマツツジ、ミヤマダイコンソウ、イワヒゲ、イワウメなどが次々に現れます。
やがて森林限界を越えて、ハイマツが這う岩場を登るようになります。岩場と言っても梯子や鎖場があるような険しい岩場ではないので、初心者の方でも安心して歩くことができます。ただ霧が掛かるとルートが分かり難いところもあるので注意しましょう。
道は丘の上に出て、スリバチ池の向こうには目指す天狗岳が望めます。
登山道はスリバチ池沿いに沿って進み、溶岩がゴツゴツとしている天狗の奥庭と言われる一帯を通っていきます。
急なガレ場を登っていくと、中山峠からの道と合流します。
ここから天狗岳の名前の由来にもなった天狗岩をまじかに見ながら最後の岩場を登っていきます。
東天狗岳山頂からは八ヶ岳の縦走路が一望でき、根子岳や硫黄岳が荒々しい姿を見せています。
西天狗岳~唐沢鉱泉
西天狗(標高2648m)はすぐお隣に見え、東天狗から一端下り、ガレ場を登り返して西天狗岳山頂に立ちます。
ここまで登山口から約4時間の行程です。
ここは縦走路から西に外れているため、赤岳や阿弥陀岳など八ヶ岳連峰をまた違った角度で一望でき、ここまで来た甲斐があったと思える瞬間です。
西天狗から西側に大岩の間を縫うように下っていくと、第二展望という開けた場所に出ます。
ここからも南八ヶ岳の素晴らしい展望が見られます。
尾根道をさらに下って行くと第一展望台もあります。
西尾根を辿り、標高2150m付近の分岐を右に折れ、つづら折りのの緩やかな道を下って行くと唐沢鉱泉に戻ります。
唐沢鉱泉は、本沢温泉とともに八ヶ岳に2つある日本秘湯を守る会会員宿の一つです。日帰り入浴も可能ですので、登山の後に入浴してみてはいかがでしょうか。
秋バージョンの高山植物
<コースデータ>
所要時間
約6~7時間
標 高
唐沢鉱泉1,820m~西天狗岳2,646m 標高差826m
駐車場
無料駐車場(約30台) トイレ有
アクセス
唐沢鉱泉までは、車で中央自動車道諏訪南ICから約40分。
コメントをお書きください