麦草峠~黒曜の森・白駒の森
今回紹介するおすすめコースは、日本の国道の峠としては2番目に標高の高い麦草峠(標高2,120m)が出発点となります。
麦草峠には、峠から200mほど茅野側に無料駐車場(約30台)があり、峠には麦草ヒュッテという山小屋があります。
麦草ヒュッテの脇をとおり、お花畑のある緩やかな斜面を登り、森の中に入り最初にあるのが「黒曜の森」です。この周辺では、道に黒曜石のかけらが落ちているので探してみましょう。このコケの森の代表種は、風鈴のように垂れ下がるフウリンゴケです。
道が木道に変わると森から抜け出し、庭園のような風景に出会います。「白駒の奥庭」と名付けられた見通しのよい場所で絶好の撮影スポット。
再び森の中に入ると辺りはコケの森にふさわしい苔むした風景に変わっていきます。
白駒池方面に進むと、白駒池入口駐車場からの道と合流し、2つ目の苔の森「白駒の森」があります。ここの代表はカギカモジゴケ。カモジとは添え髪のことで、幹にこんもりと生えている様子から名付けられたもの。
この辺りでは、フジノマンネングサなども見られます。
高見石コース・カモシカの森・高見の森
少し進むと十字路にでます。
右は高見石方面。
ここから高見石までは約1時間。高見石を経由して白駒池に戻ってくる周回コースもおすすめです。
高見石には山小屋もあり、白駒池を眼下に望めます。
途中には、「カモシカの森」と「高見の森」があり、コケの代表種はセイタカスギゴとコセイタカスギゴケです。
白駒池周回コース
十字路を直進すると、白駒池の畔にでます。
白駒池は標高約2,115m付近にあり、2000m以上の湖の中では国内最大の面積で、東京ドーム2.5個分の広さです。
畔の周回コースは一周約2km弱で、40分ほどで1周できます。
水深は最大8m以上ありますが、冬期には全面凍結し、歩いて渡ることもできます。
白駒池の畔にある東屋からは池が一望でき、写真撮影のポイントです。
白駒池の周回コースでは、原則反時計回りに歩くのがルールになっています。
白駒池の畔にある白駒荘という山小屋では、お昼にランチをいただくこともでき、自家製のスイーツもおすすめです。
白駒池周辺の山小屋では、市販されていない北八ヶ岳のコケ図鑑が販売されているので、是非手に入れておきたいものです。
にゅうコース・にゅうの森
白駒荘から白駒池沿いのコースを15分ほど歩くと、「にゅう」方面を示す分岐があります。
「にゅう」とは山の名前で、この分岐から山頂まで90分ほどです。途中には白駒湿原や「にゅうの森」があり、苔の代表種はミヤマクサゴケ。
静かな原生林の森を歩きたい方、山頂に登る達成感を味わいたい方には、こちらもおすすめのコースです。
白駒池周回コース
白駒池の畔をそのまま進むと、あたり一面苔の絨毯が敷き詰められたような風景が見られると、そこは「もののけの森」です。
ムツデチョウチンゴケが代表種。
このムツデチョウチンゴケは、北八ヶ岳の苔の森のキャラクター「コケ丸」のモデルにもなっている苔で、とても美しく特徴のある苔です。
この辺りでは、他にイワダレゴケ、タチハイゴケ、チシマシッポゴケ、ヨシナガムチゴケ、ホソバミズゴケなどが多くの種類の苔が観察できます。
さらに白駒池の畔を進むと、青苔荘という山小屋に着きます。
ここはテント泊もできる場所で、白駒池の水際にも出られます。白駒池の水面には、ホソバウキミクリという珍しい水草が浮かび、白駒池らしい風景を望める撮影スポットです。
また、この辺りではヒカリゴケも観察できます。
青苔荘からは池の畔の道もありますが、森の中の道を進むと、一番初めの高見石への分岐の十字路に戻ります。
<コースデータ>
所要時間
① 麦草峠~白駒池周回 約2時間
② 麦草峠~高見石~白駒池周回 約3時間半
③ 麦草峠~にゅう~白駒池周回 約4時間半
標 高
麦草峠 約2,120m/白駒池 約2,115m/高見石 約2,270m/にゅう 約2,350m
駐車場
麦草峠 無料駐車場(約30台) トイレ有
麦草峠の駐車場が満車の場合は、峠から佐久側に広い白駒池入口駐車場(有料・トイレ有・売店有)があり、ここからでも当コースを歩くことは可能です。
アクセス
麦草峠へのアクセスは、車で麦草峠まで中央自動車道諏訪ICから約60分、中部横断自動車道八千穂高原ICから約40分。夏季のみ茅野駅から路線バスが運行している。
(麦草峠への国道299号線は冬季閉鎖)
苔の森トレッキングおすすめガイドプラン
今回紹介したトレッキングコースも含め苔の森を歩くトレッキングガイドプランをご用意しています。ご希望の日時で実施するカスタマイズガイドプランにてご案内しています。
ご興味のある方はこちらをご覧ください。
白駒池周回+にゅう、高見石、丸山から選べるトレッキングプラン
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